乳頭乳輪再建

こんにちは。
みかこクリニック院長の髙木美香子です。
私がご質問にお答えしていきます。

乳頭乳輪再建を考えていますが、なかなか情報がありません。
特に実際の手術の写真を見る機会がなく、イメージがまったく掴めません。
実際の手術はどのような感じなのですか?

はい、そのようなお声はよくお聞きします。
イメージがわかないのは仕方ないことだと思います。

クリニックに来られた患者様には、いつも実際の症例写真をお見せしながらご説明していますが、カウンセリングに行くかどうか迷っている段階では、なかなかご自分で調べるのが難しいと思います。

そこで、まずは、お写真の使用を承諾していただいたモニター患者様の貴重な症例写真をご紹介しますので、少しでも具体的なイメージを掴んでいただければと思います。

手術の症例紹介【目次】
(クリックすると各症例にとびます)

(1)モニター患者様A様(健側の乳頭の一部を移植して乳頭再建のみ行った症例)

手術の症例紹介(1)

ご紹介するのはモニター患者様のA様です。

モニターとしてお写真の使用を承諾していただいた患者様には、この場をお借りして心より感謝を申し上げます。

本題に入る前に、少し前置きをさせてください。

『乳頭乳輪再建』については、私のブログ(アメブロ「Life can be beautiful.」)で過去に詳しく記事にしてきましたので、ブログをお読みになられた方からご相談をいただくことは時々あるのですが、実際に手術に至ることは、実はさほど多くはありません。

人工物再建の場合は特にそうですが、長期に渡りフォローアップを受ける必要があるため、主治医との関係が非常に大事になります。関係が良好で、明るく「乳頭再建だけ他院で受けてきます!」と言える雰囲気だと良いのですが、実際には難しい場合があるようです。

私としても、患者様と主治医との良好の関係が保たれることを望んでいますので、私から当院での乳頭乳輪再建の手術を強くお勧めすることはありません。

むしろ「主治医の先生には事前に了承を得た方が望ましいと思いますよ。」とお伝えすると、「それは難しい…。」と悩まれた末、最終的に当院での手術は見送るというケースはままあります。

今回ご紹介するA様は、たまたま主治医となった形成外科医が乳房再建が得意分野ではなく、またあまり熱意もなかったそうで、「エキスパンダーを入れておくぐらいはできるよ。その続きは別のところでやってね。」といった感じで手術が決まったそうで、再建方法については患者様が独自に調べて、納得のいく方法をご自分で決められたそうです。

その結果、患者様は「脂肪注入による乳房再建」を希望して、私もよく存じ上げている先生の手術を受けられたそうで、私のクリニックへは、あとは「乳頭乳輪再建」を行えば再建は完了するという段階でのご相談ということになりました。

「乳頭乳輪」の再建方法については、「乳頭」は健側からの乳頭移植「乳輪」はタトゥーを希望されました。乳輪のタトゥーについては他院で行うことを予定され、施術者の診察も受けているとのことでしたので、当院では「乳頭再建」のみを行うことになりました。

それでは、手術の経過をご紹介します。
「健側から乳頭の一部を移植して行う乳頭再建」です。

まず、手術前のお写真です。

Screenshot

健側の乳頭から半分組織を採取し、移植しました。
その6週間後までの経過をご覧ください。

健側(採取側)の状態もご覧ください。

そして、手術から6週間後のお写真です。

Screenshot

完全に上皮化するまでに約5週間を要しました。
乳頭は全て生着して高さも保たれています。

患者様からは、「乳頭再建に関しての情報が少なくて困った。自分の経験が誰かの役に立てば」と、私のブログ等でご紹介させていただくことをご了承くださいました。

乳輪のタトゥーが完成したら、その経過も見せていただけるそうですので、無事に終了することを祈りながら、その日を楽しみにお待ちしたいと思います。

髙木美香子
みかこクリニック 院長(形成外科専門医)
愛知県一宮市の美容クリニック「みかこクリニック」の院長をしています。形成外科医・美容外科医として20年余りの経験をもとに、患者様おひとりおひとりのご納得のいくゴールに向かって、患者様と共に日々走り続けています。クリニック選びの大切な判断材料として、美容医療の情報発信にも努めています。amebaブログでも日々最新情報を更新していますので、ぜひご覧ください。

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